理事長挨拶




この度東京医科歯科大学小児科 水谷修紀前理事長の後任として日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)の理事長を拝命した愛媛大学小児科の石井榮一と申します。今回新たに発足した新理事会を支えてグループの発展に貢献していく所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

ご存知のようにJPLSG はこれまで各地域で行われていた治療研究グループを1つに統合し統一治療研究を推進することにより、小児白血病リンパ腫の標準的治療法を確立することを目的としてきました。特に乳児白血病、骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫の他、組織球症、再発白血病の治療研究を行い、世界に誇る多くの研究成果を生み出してきました。そして現在小児がんで最も頻度の高い急性リンパ性白血病の治療研究も行われています。欧米にも BFM (Berlin-Frankfurt-Munster)グループ, COG (Children’s Oncology Group) といった治療研究グループが存在していますが、今後は日本でも欧米と肩を並べる治療研究が進むものと期待されます。
一方、白血病リンパ腫の中でも希少な疾患群はJPLSGを通じて国際治療研究に積極的に参加していく必要があります。すなわち、欧米の治療研究グループとの競争と共存こそがJPLSGの将来への飛躍につながると言えます。 今後のJPLSGの在り方については、いくつかの課題を抱えていると思います。
1つは固形がんグループとの統合により真の小児がん治療研究グループを構築することです。これに関してはすでに統一研究グループの発足に向けて準備が進んでいますので、JPLSGも積極的にその運営に参画していくことが小児がん全体の治療研究の推進につながるものと考えています。
次にJPLSGが国際治療研究に参加するためには、未承認薬や治験薬をスムースに導入できる体制を作ることです。これには小児血液・がん学会との連携により国家機関への働きかけを行っていく必要があります。
第3は小児がん患者の長期フォローアップです。すでにJPLSGの長期フォローアップ委員会を中心に晩期合併症や社会復帰のサポートは進めていますが、いまだに社会における小児がん患者への認識不足は否めず、家族会などとの連携によりさらなる強化を行う必要があります。
JPLSGは日本における小児白血病リンパ腫の治療研究を飛躍的に向上させてきました。今後は小児がん全体の治療研究に積極的に貢献し、全ての難病の子供たちの幸せな未来を提供できるよう努力していく所存です。

愛媛大学大学院医学系研究科小児医学
石井 榮一