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【委員会のご紹介】
急性リンパ性白血病(以下ALL)は、小児悪性腫瘍では最も頻度の高い疾患であり、小児ALLの日本国内での発生数は、年450~500人と推定されます。小児ALLは20世紀後半にグループ研究の進歩により飛躍的に治療成績の向上が見られた疾患ですが、本邦では1981年以降、4グループによるグループ研究が精力的に行われてきた経緯より、JPLSG内でのALL委員会立ち上げはやや遅れて、第1回JPLSG/ALL委員会が行なわれたのは2005年3月20日でした。以後、7年間に54回のALL委員会が開催され、本邦初の小児ALLの全国統一臨床研究が開始される運びとなっています。ALLにはT細胞性ALL(T-ALL)とB前駆細胞性ALL(B-ALL)があり、2つは生物学的および臨床的に異なる特徴を有することから、今回は共にBFM骨格に基づきつつ、それぞれ別個の臨床研究を行なう計画としました。
(1) ALL-T11プロトコールの開始: T-ALLは小児ALLの10-15%で若年成人に多
く、対象年齢を24歳以下として血液内科グループ(JALSG)との初の全国共同研究として2011年12月1日にJPLSG ALL-T11プロトコールが始められました。治療に対する反応性に基づいて3群に層別化し、新規薬剤ネララビンの導入を含む治療強化による予防的頭蓋照射の廃止、微小腫瘍残存を定量し同種造血幹細胞移植(SCT)の適応を縮小することなど、治療成績の向上と晩期合併症の軽減を目的としています。
(2) ALL-B11プロトコールの開始: B-ALLでは対象を20歳未満とし、年齢と白血球数および治療に対する反応性から3群に層別化、各群で標準治療としてのBFM-95骨格治療と強化治療群との無作為比較試験を計画しました。L-アスパラギナーゼと髄注の強化により予防的頭蓋照射を廃止し、微小腫瘍残存を定量し同種造血幹細胞移植(SCT)の適応を縮小することなど、T-11と同じく治療成績の向上と晩期合併症の軽減を目的としており、B11プロトコールの開始は2012年の春を予定しています。
なお、両研究の概要は2010年10月2日からトルコのAntalyaで行われた第31回国際BFM会議で報告しています。
【業績】
準備中
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